先日購入したポータブルヘッドホンアンプ(FiiO Snowsky MELODY)のイコライザーを設定しようとして手間取ったので、備忘として記事にしておく。
なお、PEQ(パラメトリックイコライザー(Parametric Equalizer))のことをまったくわかっていない自分だから難儀したのであって、そのあたりに詳しくてFiiO web controlにしても直観で使える方や、公式のこの記事を見て問題なくわかる方にはあまり意味がない記事なので、ご留意願いたい。
概要
FiiO web controlの「Auto EQ」機能を使い、DAC(例:FiiO Snowsky MELODY)に接続しているヘッドホン(例:Sennheiser HD 599 SE)を特定の周波数特性(例:ハーマン・カーブ)に近づけるようにイコライザーを設定&微調整(私的好みで低音をやや強調)することを試みた。
私的には、聴き心地がより良くなったように感じられる。
経緯
※この部分は余談なので、お急ぎの方は手順までどうぞ。
2025年11月末のブラックフライデーでSennheiser HD 599 SE+4.4mmバランスケーブルのセット
が¥12,800という破格で売られていたため*1、ついつい衝動買いしてしまい……。
My new gear ...
— 風柳 (@furyutei) 2025年12月11日
Sennheiser HD 599 SE+4.4mmバランスケーブル #ad https://t.co/aYC2bqGgM7
ブラックフライデー中の11/22に注文したものがようやく届いた…いや、¥12,800だったから…その、ね…(なお現在¥33,934) pic.twitter.com/3KD1qeZhMI
せっかく4.4mmバランスケーブル付きで買ったのに使える環境が無かったので、これも深く考えずに*2、DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ(FiiO Snowsky MELODY)
も購入。
My new gear ...(その二)
— 風柳 (@furyutei) 2025年12月11日
FiiO Snowsky MELODY (Walnut) #ad https://t.co/UT19ZE1tRI
…いやその…4.4mm出力付きのアンプ持ってなかったし…せっかく4.4mmバランスケーブル付きなので、試したくなるじゃない、ね…? pic.twitter.com/P0lHE7JKPb
4.4mmバランス接続した場合のヘッドホンの音質には良い意味で驚き、コストパフォーマンス的におおむね満足だったのだが、ふと『ちょっと低音が物足りないかな……イコライザーで調整できないだろうか……』と思いたち、とりあえずFiiO web Controlにアクセスしてみたところ……

……なにこれ? どうやって調整すればいいの? バーを触っても🚫とか出て変更できないし……。
だって、PCとかスマートフォンなんかのイコライザーのイメージって……

こういう(周波数帯がいくつかに分割されていて、それぞれのブースト/カットを調整)感じじゃない…?
お、プリセットっぽいものがあるぞ?

Jazz・Pop・Rock・Dance・R&B・Classic・Hip-Popというプリセットがあるのだけれど……どれも気持ち悪い音になってしまい、これならイコライザーなし(Close EQが多分それ)が一番ましだったり。
うーん、編集できるっぽい(ペンマークが付いた)スロットが3つあるみたいだけれど……やっぱり自力でイコライザー調整する必要があるの……?
……どうやら、これまでよく見ていたイコライザーはグラフィックイコライザー(graphic equalizer)というもので、それに対してFiio Controlのイコライザーはパラメトリックイコライザー(Parametric Equalizer・PEQ)という種類に当たるらしい。
PEQの方がより細かい音作りができるためレコーディングや音楽制作等で使われることが多いらしい……けど、まったくの素人にはハードルが高くない……?
FiiO Controlのマニュアルは……
これ、なのかな? ……でも読んでもよくわからないぞ……。
幸いFiio web controlには「Auto EQ」という機能があり、ある程度自動で設定してくれる気配……?
……うん、中国語なのでよくわからないぞ……。
ただとっかかりは掴めたので、なんとかAuto EQを使ってみることにした次第。
手順
FiiOにユーザー登録
既にFiiOにユーザー登録されている方は、そのアカウントを用いてログインすればよいので、ユーザー登録の手順は飛ばして次の手順へどうぞ。
なお、FiiO web control自体はログインをしなくても使うことはできるが、一部の機能(イコライザの設定をPersonal領域に保存したりなど)が使えなくなるため、登録しておくことを推奨。
ちなみに私的にはユーザー登録も地味にクセが有って手間取った……
ブラウザでFiiO web controlを開き、右上にある人マークのアイコンを押してログインダイアログを出す

右上の人マーク(ログインアイコン)を押してログイン画面を出す ログインダイアログ右上にある[Sign Up]リンクを押してサインアップページを開く

Sign Upリンクをクリック 中国語版の注意書きが出たら、とりあえずチェックボックスに☑を入れてから[下一歩]ボタンを押す

中国語版の注意書きが出たらとりあえずチェックを入れてボタンを押す 右上の[English>]を押して、英語版に切り替える(中国語版で問題なければこの手順は不要)

中国語→英語に切り替え 英語版の注意書きが出たら、チェックボックスに☑を入れてから[The next step]ボタンを押す

英語の注意書きが出たらチェックを入れてボタンを押す 登録したいメールアドレスを入力し、[To obtain]ボタンを押す

登録したいメールアドレスをいれて[To obtain]ボタンを押す Verification Codeを求められたら、画像に書かれている英数字4文字(たぶん)を入力して[Verification]ボタンを押す(おそらくこのタイミングで上記で登録したメールアドレスに向けてメールが送信されるものと思われる)

Verification Code入力を促されたら画像のコードを入力 [To obtain]ボタンが[has been send (残り秒数)]に変わっていたら、6.で登録したメールアドレス宛のメールを確認し、FiiOから届いたメールに記載のコードを入力して[The next step]ボタンを押す

届いたメールに記載のコードを入力して[The next step]ボタンを押す 再度Verification Codeを求められたら、同様に入力して[Verification]ボタンを押す

再度Verification Code入力 「Fill in account information」が表示されたら、任意のユーザー名とパスワードを決めて入力し、[Register now]ボタンを押す

ユーザー名とパスワードを決めて[Register now] 「Registerd successfully」まで進んで「Congratulations」が表示されたのが確認できたら、ユーザー登録完了

「Conguratulations」が出たら登録完了
FiiO web controlでログイン&DACに接続(必要に応じてファームウェア更新)
FiiO web controlに戻り、右上のログインアイコンを押してログインダイアログを開き、「◎ Login with Password」を選択した上で、前手順で登録したUsernameとVerification Code(これは画像で表示されている英数4文字を見ながら入力)、Passwordを入力し、確認のチェック☑を入れて[Login]ボタンを押す(成功したら右上のアイコンが変わる)

FiiOに登録したユーザーアカウントでログイン 右上の[Connect]を押して、DACへの接続手順を開始

[Connect]を押してDACへの接続を開始 目的の機種に応じたConnect Typeを選択して[Connect]ボタンを押す

Connect Typeを指定 対象のDACを探して選択し、[接続]ボタンを押す

対象のDACを選択して[接続] 接続が成功して、[Connect]がDAC名に変更されていることを確認

[Connect]がDAC名に変更されたのを確認 上部メニューからConfigurationタブを選択し、「Device Firmware update」の[↑]を押す

ConfigurationタブでDevice Firmware updateの[↑]を押す 「Firmware Version」と「Updateable Version」を確認して比較し、Updateableの方のバージョンが上がっていたら、[Device Update]を押してファームウェアを更新する
なお、同じバージョンでも[Device Update]を押してしまうと更新処理に移る模様(おそらく同じバージョンが上書きされるだけ)

必要に応じてFirmware更新
「Auto EQ」によるイコライザー自動設定と微調整の例
FiiO web controlで左メニューのAuto EQタブを選択

Auto EQタブを選択 「Select headphones」欄に、使用中の(DACに接続している)ヘッドホンの機種を入力&選択する(機種名の一部を入れると部分一致で検索可能な模様・例:599→Sennheiser HD 599(SEは無かった))
欄の右横にあるドキュメントマーク🗎を押すと、任意のヘッドホンの特性を記載したCSVファイルを指定することも可能。CSVファイルの取得方法についてはこちらを参照のこと
DACに接続しているヘッドホンを選択 右のグラフ上に、選択したヘッドホンの特性(Raw)と、DACの現在のイコライザー設定(Device)とが表示されていることを確認する

ヘッドホンの特性(Raw)と現在のDACのイコライザー設定(Device)表示 「Select Target」欄にて、目標とする特性(例: Harman over-ear 2018)を探して選択する
欄の右横にあるドキュメントマーク🗎を押すと、任意のヘッドホンの特性を記載したCSVファイルを指定することも可能。CSVファイルの取得方法についてはこちらを参照のこと
目標となる特性を選択 右のグラフ上に、目標とする特性(Target)・実際に設定されるイコライザー設定(Equalizer)・実際にイコライザー設定を行い調整した後の特性(Equalized)が追加で表示されることを確認する

目標特性(Target)・EQ設定(Equalizer)・調整後の特性(Equalized)が追加表示 必要(好み)に応じて、各種パラメータを調整する
ここでは左上のパラメータのみをおおざっぱに変更するのみがいいかも?(例ではBase Boostを6.0dB→8.0dBにしている)
下部でFilter・Gain・Freq・Qも変更可能ではあるが、音を聞いて確認しながら調整ができるHomeタブでやったほうがやりやすい気がする

必要に応じてパラメータを調整 
調整に応じてTarget・Equalizer・Equalizedが変化 調整が終わったら、[Save]を押し、Personalデータとして保存する
ログインしていない場合にはPersonalには保存できないため、Deviceに直接設定することになる。この場合、編集可能なスロット(Snowsky MELODYの場合は3つ)のいずれかを選択する。
[Save]を押して◎Save to personalを選択 
Save to personal時のStyle NameとDescriptionを入力 左のメニューからPersonalタブを選択し、調整したデータが保存されていることを確認する

保存したものをPersonalタブで確認 PersonalタブのMy Custom EQ Dataからデバイスに設定したいデータの[Apply]ボタンを押し、編集可能なスロットのいずれかを選択し、[Confirm]ボタンを押す

データの[Apply]を押してDeviceのスロットを選択 左のメニューからDeviceタブに切り替えて、設定が反映されている(設定したスロットが赤くなっている)ことを確認する

Deviceタブで反映されていることを確認 左のメニューからHomeタブに切り替えて、イコライザー設定の詳細を確認し、必要に応じてパラメータを調整する(音源を再生しながら調整すると変化がわかりやすい(リアルタイムに反映される模様)・例では23Hzあたりが12dBを超えていたので、2番のGainを下げている(2.7→0.1dB))

Homeタブでイコライザー設定の詳細を確認 
必要に応じてパラメータを微調整 調整が完了したら、右上の[Save]ボタンを押し、「◎ Overrid data to personal」を選択して、Personalデータを上書きしておく

[Save]を押して保存先を選択 
既存のデータを選択して更新 Personalタブに切り替えて、データが更新されていることを確認する
データ右上の[…]からExportを選べば、該当データをローカルにXMLファイルとして保存可能。保存したものは、画面右上の[↓ Import]ボタンから読み込むことも可能。

Personalタブで更新が反映されていることを確認
問題点・不明点等
Homeタブでの謎のスイッチとボタン
Homeタブ右上に[EQ Switch]というスイッチと[EQ Reset]というボタンがあるのだが、いまひとつ機能というか使いどころがわからない。

編集している最中に[EQ Switch]をオフにすると、

のように表示上はイコライザーがフラットに初期化されたような状態になるのだが、この状態では何も編集できない(パラメータを変えようとしても、マウスカーソルが🚫となって変更できない)。
再度[EQ Switch]をオンすればここから編集できるようになるのかな? と思いきや……


なぜか勝手にプリセットの先頭(Jazz)が選択された状態になってしまうという……これ、何の意味があるのだろう? ご存じの方はご教示いただけると幸い。
また、[EQ Reset]はボタンの名前からすると編集前に戻りそうなものだが、押しても特に変化はなく……これもどういう機能があるのか、ご存じの方は教えて欲しい。
Auto EQで使用するCSVファイルのフォーマットは?→わかった!(たぶん)
Auto EQタブの「Select headphones」や「Select Target」では、ユーザーが任意の特性ファイル(CSV)を用意しておいてこれをアップロードすることができるようなのだが、肝心のCSVファイルをどういうフォーマットにすればよいのかがわからない(なにか標準的なものがあるのか?)
せめて特性ファイルをどこかからダウンロードできればそれを参考に作ることもできるだろうが、そういうものがあるのかも不明。
これもご存じの方がおられたら、ご教示願いたい。
(追記:2025/12/14)
そのものずばり、AutoEqというものがあり…
これのGitHubリポジトリ
下に各種ヘッドホンのデータが存在していた。
こちらでヘッドホンの名前で探し、CSVファイルデータをダウンロードすることが出来る。
github.com



ダウンロードしたCSVファイルは、FiiO web controlのAuto EQタブの「Select headphones」と「Select Target」のどちらでも指定可能なので、例えば手持ちのヘッドホンを別のヘッドホンの特性に近づけたりも(理屈の上では)できる、はず。

ただし、2つの特性間の差異が大きすぎると少なくとも自動ではうまくいかない模様。

考えてみれば、「Select headphones」と「Select Target」の両方に同じ特性ファイル(CSVファイル)を指定してやれば、ヘッドホンの個性は残しつつ、特定の帯域(例えば低音)だけをブースト/カットできるのでは……?

試していない・利用していない機能など
Personalデータの共有機能
Personalタブを見る限りでは、自作したデータを共有したり出来るようではあるが、試していない。
Handpick
Handpickタブでは、ユーザーが共有したっぽいデータを利用できるようではあるが、試していない。
Official Rec
Official Recタブでは、公式のデータもあるようだが、当てはまりそうな環境がなさそうので利用していない。
備考
FiiO web controlが対応しているDAC等
上部メニューのOtherタブ(Compatibillity List)で対応しているFiiO製品が表示される。

Global Gainについての留意事項
[Home]画面にある「Global Gain」には以下のような留意点がある。
- Deviceのスロット単位に記憶される模様(EQ Dataには含まれていないみたい?*3)
- 調整できるのは編集可能なスロットのみ(プリセットデータについては変更できない)
- 上げすぎると歪みが大きくなる(音割れが発生しやすくなる)ので注意すること
PEQ画面におけるFilterの略称の意味
| 略称 | 意味 | 備考 |
|---|---|---|
| P | Peak | 指定周波数周辺をQ幅に応じて増減 |
| LS | Low Shelf | 指定周波数以下をまとめて増減 |
| HS | High Shelf | 指定周波数以上をまとめて増減 |
| BP | Band Pass | 指定周波数周辺を通しそれ以外を弱める |
| LP | Low Pass | 指定周波数以下を通しそれ以外を弱める |
| HP | High Pass | 指定周波数以上を通しそれ以外を弱める |
| AP | All Pass | (音量ではなく)位相を調整する |
PEQ画面におけるQとは?
FiiO web controlのHomeタブなどのPEQ画面では各バンド(編集対象となる帯域:Snowsky MELODYの場合は10バンド)についてFilter・Gain・Freq・Qの設定項目があり、それぞれを変更できるようになっているが、このうちのQが私的にわかりにくかった。
Qは、そのバンドの設定が影響する(Freqを中心周波数とした)帯域幅を指定するものらしく、Qの値が小さいほど影響する帯域幅が広く、Qの値が大きくなるほど影響する範囲が狭くなっていく。
例えばQ=1.41だと1オクターブ分の帯域に、Q=17.31だと半音(Semitone)分の帯域に影響することになるということらしい。
……しかしFiiO web controlのPEQ画面だと、バンドの影響範囲がわかりにくいな……グラフ上に横棒を表示するなどして帯域幅を明示して欲しい気がする。
FiiO Controlアプリについて
apps.apple.comFiiO ControlアプリはPEQ(パラメトリックイコライザー)の設定以外にも、FiiO web controlではできない機器特有の設定の確認や変更ができる模様。




*1:参考価格は本体¥20,849・ケーブル¥17,600で、セットだと¥41,948らしい(おかしい、計算が合わないぞ)……が、実は定期的にセールがあって投げ売りされているみたいで(例えば3.5mmマイク付きケーブルセットなら2025/12/13現在でも¥14,800だったり)そのタイミングを狙うのが吉(というかセールじゃないと、特にケーブルはちょっと割高すぎ)
*2:木製筐体でちっちゃくてかわいかったというのが最大の購入動機という説あり
*3:同一のEQ Dataを異なるDeviceスロットに反映してみると、Global Gainの値だけは変化しない。なお、EQ DataをExportしたXMLファイル上はparam[name="masterGain"]という項目はあるが、これがどのように使われているかは不明


































