風柳メモ

ソフトウェア・プログラミング関連の覚書が中心

スマートフォンの機種変更時にMicrosoft Authenticatorの「電話によるサインイン」設定ではまった

先日、スマートフォンをGoogle Pixel 5aからAQUOS sense9へと機種変更したのだが、その際にMicrosoft Authenticatorアプリの「電話によるサインイン」(他の端末でマイクロソフトアカウントにサインインしようとしたときにスマホに通知が来て、2桁の数値を選んで承認するやつ)の設定変更(新しい端末の方に通知を行うように変更する)方法がよくわからず手こずったので、備忘を兼ねて手順をメモしておく。
なお、この記事中でのマイクロソフトアカウントは個人用のものを想定しており、企業等用のアカウントのことは考慮していないことに注意。

Microsoftアカウントの新しいサインイン要求。



概要

あらかじめ、マイクロソフトアカウントのサインイン方法のうち、「サインイン通知の送信」を削除してから改めて設定すればよいらしい*1

手順

【1】 あらかじめ新端末以外(旧端末(機種変更前のスマホ)やPCのブラウザなど)で、既存の「サインイン通知の送信」設定を削除しておく

  1. 新端末(機種変更後のスマホ)以外の端末(機種変更前のスマホやPC等)のブラウザで、Microsoftアカウントにアクセスして[サインイン]を押し、目的のアカウントでサインインする(既にサインイン済みの場合はこの項を飛ばして次へ)

    account.microsoft.com
    サインイン

  2. 左側のメニュー(もしくは左上の三本線(☰)アイコンを押して出てくるメニュー)から、「セキュリティ」を選択

    左側のメニューからセキュリティを選択

  3. ページ中の「アカウント」セクションにある[サインイン方法の管理]を選択

    [サインイン方法の管理]を選択

  4. 「お客様の身元を証明する方法」にある、既存の「サインイン通知の送信」を開き、[削除]を選択し、出てくる「Microsoft Authenticatorアプリを削除しますか?」ダイアログで[削除]を選択、削除されたら[OK]を押す(なお、既存の「サインイン通知の送信」が存在しなければ、この項は不要なので、次へ)

    「サインイン通知の送信」を[削除]
    「Microsoft AUthenticatorアプリを削除しますか?」に対して[削除]
    Microsoft Authenticatorアプリが削除されました

  5. 「お客様の身元を証明する方法」で、「🜨 サインインまたは確認の新しい方法を追加」を選択

    🜨 サインインまたは確認の新しい方法を追加

  6. サインインまたは確認の新しい方法として、「アプリを使う」を選択

    「アプリを使う」を選択

  7. 「Microsoft Authenticatorアプリを設定します」に対して[今すぐ取得]を選択*2

    Microsoft Authenticatorアプリを設定します

  8. 「Microsoft Authenticatorアプリのダウンロード」として説明が表示されるので、[次へ]を押す(このタイミングで、必要に応じて【新端末の方で】Microsoft Authenticatorアプリをダウンロードしてインストールしておく)

    Microsoft Authenticatorアプリのダウンロード

  9. 「Microsoft Authenticatorにサインインするには、次の手順を実行します」として、QRコードが表示されるので、新端末(機種変更後のスマホ)の方でスキャン手順(次項の手順【2】)を完了するまでそのまま表示しておく(スキャン手順が完了したら、[完了]を押して閉じる)

    Microsoft Authenticatorにサインインするには、次の手順を実行します(QRコード表示)

【2】 新端末(機種変更後のスマホ)でMicrosoft Authenticatorにアカウントを追加する

  1. 新端末(機種変更後のスマホ)でMicrosoft Authenticatorアプリを起動し、上部にある「+」マークを押す

    Authenticatorアプリで「+」マークを押す
    [2025/10/15追記]Authenticatorアプリの右下の方にあるQRマークを押して、手順【1】で表示しておいたQRコードをスキャンするようにすれば、2・3項は必要ないことに気づいた……
    AuthenticatorアプリでQRマークを押す

  2. 「アカウントの追加」画面で「個人用アカウント」を選択

    「アカウントの追加」画面で「個人用アカウント」を選択

  3. 「個人用アカウントを追加」ダイアログで「QRコードをスキャンします」を選択し、手順【1】で表示しておいたQRコードをスキャンする

    個人用アカウントの追加でQRコードをスキャン

  4. 「電話によるサインインへようこそ!」が表示されたら設定完了なので[了解]を押す

    電話によるサインインへようこそ!

【3】新端末(機種変更後のスマホ)上のモバイルアプリ(Microsoft Authenticator)によるサインイン承認の動作確認

  1. 新端末以外の端末(Windows PCなど)で、ブラウザのシークレットウィンドウで(もしくはマイクロソフトアカウントからログアウトした状態で)Microsoftアカウントを開き、[サインイン]を押してサインイン画面に移動する

    account.microsoft.com
    サインイン

  2. サインインに上記で設定したアカウントを入れて[次へ]を押す(このとき、パスキー等で自動的にサインインしようとした場合には、キャンセルし、「サインインできませんでした」と出たら、「別の方法でサインインする」を選択する)

    パスキーでのサインインなどはキャンセルする
    サインインできませんでした>別の方法でサインインする

  3. 「別の方法でサインインする」と出たら、「モバイル アプリでのサインインを承認する」を選択

    「別の方法でサインインする」と出たら、「モバイル アプリでのサインインを承認する」を選択

  4. 「Authenticatorアプリを確認する」が表示されたら、2桁の番号を確認する

    Authenticatorアプリを確認する

  5. 新端末の方のAuthenticatorアプリに「Microsoftアカウントの新しいサインイン要求。」通知が来るはずなので、そちらを確認し、上記の番号と同じものを選んで[承認]する

    新端末側で「Microsoftアカウントの新しいサインイン要求」を承認

  6. ブラウザの方で、サインインできているかを確認する

追記:旧端末もPCもない場合は詰み?

すでに旧端末を廃棄したり紛失していたりした場合で、かつマイクロソフトアカウントにログイン可能なPCもない場合は……マイクロソフトアカウントに、「電話によるサインイン」以外でもサインインできる手段(パスワード+メール/SMS通知等)があれば、新端末だけでもなんとかなる……かも?(未確認)

その場合の手順としては、

  • 新端末で、既存の「サインイン通知の送信」設定を削除するところ(手順【1】-4)まで行う
  • Microsoft Authenticatorアプリの方の手順【2】を行い、【2】-3で、QRコードのスキャンの代わりに「Microsoftアカウントでサインイン」の方を選択して、個人用アカウントを追加

みたいな感じかな……?

備考

マイクロソフト公式のAuthenticator関連ページ

support.microsoft.com

support.microsoft.com

support.microsoft.com

Microsoft Authenticatorに関する公式のマニュアルとしてはこれらになるのかな……?
ちなみに最初はバックアップしておいたアカウントを新端末側に追加したんだけど、通知は相変わらず旧端末の方に飛んでしまったので、とまどったのよね……。

[2025/10/13追記] 多要素認証疲労攻撃(MFA 疲労攻撃/MFS消耗攻撃)対策について

上記の手順【3】にもあるとおり、ユーザー名として使われているメールアドレスさえわかっていれば、該当アカウントが設定されているAuthenticatorアプリに対してサインイン要求を送ることが出来てしまう。
これを利用して、該当アカウントの正規ユーザーに誤認による承認をさせることにより第三者がサインイン出来てしまう問題があり、これを利用した攻撃を「多要素認証疲労攻撃(MFA 疲労攻撃/MFS消耗攻撃)」というらしい。

例えば私の Microsoft Authenticator に、突然 MFA のプッシュ通知が発生したと仮定します。アプリには「サインインを承認しますか ? (拒否 / 承認)」という選択肢が表示されます。私はこのサインインに身に覚えがないので「拒否」を押下しますが、まだ IT リテラシーの高くない利用者や、たまたまそのタイミングでクラウド アプリにサインインを試行している人であれば、誤って「承認」を選択してしまう可能性もあります。また、攻撃者が繰り返しサインインを試行してプッシュ通知を行うと、ユーザーには複数の通知が届き、どれが自身の意図したプッシュ通知か判断できなくなります。MFA 疲労攻撃は、このような「ユーザーの誤操作」を狙った攻撃です。

Microsoft Authenticator の MFA 疲労攻撃対策 - 数値の一致による MFA が 有効化されます | Japan Azure Identity Support Blog

現状のMicrosoft Authenticatorでのサインイン要求は、アカウント名とログインしようとした大まかな場所、二桁の数字が3つ並び、画面に表示される数値と同じものを選んで[承認]を押すという手順なので(拒否する場合は単に[拒否]を押せば良い)、誤操作で承認してしまうというのは起こりにくくはなっていると思われる。
しかし、そもそも何度も覚えのないサインイン要求が来るのはそれ自体がストレスになってしまう*3

覚えのないサインイン要求を受けにくいようにするためには、アカウントに対して自分しか使わない(知らない)ユーザー名(エイリアス)を作り、それをプライマリとして設定し、よく知られている(メールアドレスとして利用しているような)ユーザー名については、サインイン設定を無効化しておけばよさそう。

support.microsoft.com

  1. アカウントへのサインイン方法を管理するページを開く

    アカウントへのサイン方法を管理する

  2. 「メールを追加して下さい」を押し、「◉ 新しいメールアドレスを作成し、ユーザー名として追加する」を選択して(推測されにくい)メールアドレスを作成し、[ユーザー名の追加]を押す

    ユーザー名の追加

  3. 「アカウントへのサインイン方法を管理する」ページに戻ったら、2.で作成したメールアドレスの右側の「プライマリにする」を押し、プライマリとして設定する

  4. 「サインイン設定を変更する」を押し、プライマリ以外の、不要なユーザー名のチェックを外し、[保存]する

    サインイン設定で不要なユーザー名のチェックを外して保存


*1:どうも「サインイン通知の送信」(=スマートフォンへの通知の送信)はひとつのアカウントに対して現状はただひとつの端末しか設定できない模様

*2:なお、この時点でもし、既存の「サインイン通知の送信」が残ったままになっている場合には、[今すぐ取得]をクリックするとアカウントホームに遷移してしまって「んんん?」と混乱する羽目になる……せめてわかりやすくエラーメッセージくらい出して欲しいところ……

*3:実はこの記事の公開時、一箇所メールアドレスをマスクし忘れていたのだが……おそらくそれが原因で、その後何回か覚えのないサインイン要求が来てしまったのであった……

「ノートン、おまえだったのか。いつも通信を邪魔してくれたのは。」

概要

Surface Book 2でインターネットの通信速度が遅くて悩んでいたけれど、ノートン 360をアンインストールしてみたら、2〜3倍の速度が出るようになった件。

経緯

いつからか*1、メインで使っていたノートPC(Surface Book 2)で有線LANのインターネットの通信速度が顕著に遅くなってしまった*2

元からのSurface Dock 2についているLANポートはもちろん、内蔵無線LANやUSB接続した有線LANアダプターで試してみてもダメで(Surface Dock 2のLANポートと似たような速度しか出ない)、PCかOSの問題なのかと諦めていたのだが……。

先日、Windows 10 ProからWindows 11 Proへとアップデートしたのをきっかけに、再度調査してみたところ……なんと、ノートン 360をアンインストールしただけで、まっとうな通信速度が出るようになったのであった……。

なぜだ、ノートン……信じていたのに……*3

本来はノートン 360の機能のうち、何が原因となっているのか? 等を調べるべきかも知れないが、もはやそれだけの気力はない*4……。

なお、同じくノートン 360が入っている別のノートPC(NJ5700E)では、特に顕著な速度低下は見られないようなので、Surface Book 2がなにかしら特殊だという可能性は否定できない。

おまけ

ノートンの解約ではまった場合に見てみるといいかも?

先日、ノートンモバイルセキュリティを解約(自動更新の停止)をしようとして手間取ったので、その際に行ったことのメモ書きを貼り付けておく。
たぶん、他のノートン製品でも、注文番号の先頭がSYになっている場合は参考になるかも?

ただし、注文番号および登録したメールアドレスが必要となることに注意*5

アバストでも同じ結果だったよ……

試しにアバスト プレミアム セキュリティを試してみたんだけれど……

ノートン 360とまったく同様の通信速度低下が発生して苦笑するしかなかった……*6

まぁ、こちらも他に試してみた2台(Minisforum MS-A2とNJ5700E)では顕著な低下は見られなかったので、Surface Book 2特有の問題かも知れないのだが。

ESETなら快適に使えそう!?

あかしょう@akasyouさん勧めていただいたESET HOMEセキュリティなら、Surface Book 2でも通信速度の低下は発生せず!

これなら良さそう、ということで早速購入し、手持ちの3台すべてにインストールしておいた。

*1:少なくとも2023年7月の時点ではまっとうな速度が出ていた

*2:他PCで500Mbps前後とか出ている状態で、同じルーター経由で150Mbps前後くらいしかでない状態

*3:やや嘘……前世紀から惰性で使っていただけ、ともいう……

*4:これが、老化か……

*5:これらがわからない場合はサポートに問い合わせるしか無いと思われる

*6:朱に交わって赤くなってしまったのかな……

1台運用のCear pavé(CP-4000)の音がBT-W6との組み合わせで化けた件

いきなり結論

Cear pavé(CP-4000)が1台だけの環境でも、Bluetoothオーディオトランスミッター(USBドングル)である Creative BT-W6に接続して以下のように設定することで音が別物のように変化したので、該当する環境*1のある方は騙されたと思って試していただきたい*2

なお、あらかじめこちらからOS(現状Windowsのみ)を選択してCreative Appをダウンロードした上でインストール&起動しておくこと。

  1. Creative BT-W6Cear pavé(CP-4000)を、ブルートゥース クラシック&ハイクオリティ/aptX Losslessで接続*3
    BT-W6とCear pavéをatpX Losslessで接続
  2. Creative Appの再生>オーディオクオリティにて、
    • オーディオクオリティを24 bit, 48000Hzに設定*4
    • ◉ スピーカーで、フルレンジスピーカー:ON、スピーカータイプ: デスクトップを選択
      オーディオクオリティは24bit,48000Hz・スピーカータイプはデスクトップに設定
  3. デバイスで、Acoustic EngineのSurround・Crystalizer・バスをONにして好みに調整
    ※自分の場合、サウンドモードで「ミュージック」を選んだ後、バスをONしたものをベースにした(ちなみにイコライザーはそのままか、なんなら私的にはオフでも可)
    Acoustic EngineのSurround・Crystalizer・バスをONにして調整

経緯

「20万円を超える3Dサラウンドが、いつでもどこでも手のひらに。」の謳い文句につられてクラウドファンディングで手に入れたCear pavé。

いざ手元に届いてたので試してみたら、音場が(それまで使っていたJBL Pebblesと比べても)狭くてサラウンド感もいまひとつだし、据え置きで使う分には不要だったり使いにくい機能が多かったりで、『うーん、微妙だなぁ、やっぱり複数台運用が前提なのか? ちょっと失敗だったかも』と思いつつ、まぁ音はそれなりだしと使っていたのだが。

Windows PCなのもあってずっと有線(USB-C)接続で運用していたのが、BT-W6との接続を試しているうちに、ふとAcoustic Engineを有効にしたら、『べっ、べつもの!?』というくらいに印象が変わるほど私的に好みのサウンドになって感動した、という話

低音はズンズンと響くようになったし、ボーカルはクリアになるし、音場も広がってサラウンド感が増した気がする(さすがに回り込むまではないけれども)。

たとえばシーイヤー株式会社さんの公式アカウントの方からおすすめされている再生音源

もちろんCear pavéの良いところを引き出すような音源を選ばれていると思うのだけれど、これもAcoustic Engineを有効にするとさらに飛躍した音に変わるので、ぜひ聴き比べていただきたい。

正直、イヤホン(Denon PerL Pro)でAcoustic Engineを試したときには『なにかいかにも作られたような感じの音で、好みじゃないな』とオフにしてしまったくらいなのだけれど、まさかCear pavéとの組み合わせがこんなにしっくりはまるとは思いもしなかった。

購入後8ヶ月も経過してからようやく、(少なくとも音に関してだけは)『買ってよかった』と思えるようになったことが、嬉しい。

まぁ、いまだに新しい発見がある、面白い(?)スピーカーだよ、ということで……。


*1:Windows PC+BT-W6+Cear pavé、まぁ少々(?)ニッチかも知れぬ

*2:もちろん「本当に騙された!」となっても責任はとらないけれども……まぁそのときには人の好みは様々ということであきらめて欲しい

*3:ここでは音質と接続安定性を優先してこう書いているけれど、ロー レイテンシーやLE オーディオであっても同様に効果はある

*4:96000Hzにすると、aptX Losslessや、別途Dolby Atmos for Headphonesなどの立体音響が無効化されてしまうので注意

Creative BT-W6とCear pavéでLE Audioのブロードキャスト暗号化モードを試す

はじめに

先日(主にeppfun AK3040Pro MAXと比較するために)勢いでCreative BT-W6

Creative BT-W6 - ヘッドホン / イヤホン - Creative Technology (日本)

買ってしまった

ひとまず、雑感などは

このツイート(ポスト)のツリーを書いたからよいとして、AK3040Pro MAXでできないことはなにかないかな? と考えてみたところ、Cear pavé(CP-4000)にLE Audioブロードキャスト(Auracast)のプライベートモード(ブロードキャスト暗号化モード)でつなげられるのではないかと思いつき、試してみることにした。

それというのも、Cear pavé(スピーカー)とCear core(専用トランスミッタ)の一般販売がようやく2024/12/25から始まるという案内があったのだけれど

シーイヤーパヴェ Cear pavé 一般販売のお知らせ - 音響のプロフェッショナル シーイヤー株式会社

このCear coreが¥11,000(税抜)となかなかいい値段がするので、あわよくばBT-W6で代替できればという思惑もあった(まぁ私的には正直、追加で¥40,000(税抜)出してCear pavéをもう一台買うかというと疑問符が付くので、単なる興味本位の割合が高いが)。

結論としては

  • ブロードキャスト暗号化モードで接続&再生は可能だった
  • 実用性には難あり(詳細は後述の問題点参照・ちゃんと使うには今のところやはりCear coreが必須な模様)

という結果になってしまった……残念。

BT-W6とCear pavéとをブロードキャスト暗号化モードで接続する方法

BT-W6をブロードキャスト暗号化モードにする

設定方法
  1. Creative Appから、デバイス>ブルートゥース デバイスの画面を開く
  2. 「LE Audio: ブロードキャスト モード」の「☑ ブロードキャスト暗号化」にチェックを入れて、パスワード(数字のみ・4文字以上)を設定後、「LE Audio: ブロードキャスト モード」を有効にする(ドングルのLEDが白のゆっくりとした点滅になることを確認)

LE Audio: ブロードキャスト モードの設定

なお、この画面で表示されるブロードキャスト名と設定したパスワードは後のCear pavéの設定で使用するので、メモしておくこと。

Cear pavéの設定変更

前提条件
  • 最新のCear pavé Appをスマホ等にインストールしておく
  • Cear pavéのファームウェアを最新(本体FW ver.2.0.4以降)にしておく
設定方法
  1. アプリをインストールしたスマホとCear pavéをBluetooth接続した状態で、アプリを起動して目的のCear pavéに接続
  2. [Cear Link Connect]ボタンを押す
  3. [Private]ボタンを押す(現状、Public→Privateに切り替えた直後ではName/Codeを入れられずに「pavéを再起動する必要があります」ダイアログが表示されてしまう模様。その場合は仕方がないので、[OK]ボタンを押し、Cear pavéの電源がOFFになったら電源を入れ、手順1から繰り返す)
  4. Creativew Appで表示されていたブロードキャスト名と設定したパスワードを「Name:」と「Code:」欄にそれぞれ入力し、「Send to pavé」ボタンを押す
    Cear Link Connect→PrivateでNAME/Code設定
  5. 「pavéを再起動する必要があります」ダイアログが表示されたら、[OK]ボタンを押す(Cear pavéの電源がOFFになる)
    pavéを再起動する必要があります
  6. Cear pavéの電源を入れ直す
  7. Cear pavé本体の[ボリューム -]ボタンと[マルチファンクション]ボタンを同時に*1、「CearLink mode」という音声が聞こえるまで(2秒程度)押しつづける(このとき、自分の環境だとUSBケーブルが繋がっているとうまくいかなかったので、外してから操作したほうがよさそう)
  8. しばらくして「CearLink success」という音声が聴こえたら接続状態なので*2、音声を再生してみて動作を確認

問題点

PC側から音量調整ができない

PC側でデバイス(BT-W6)のボリュームを変更しても再生音声には反映されず、また、ミュートもできない。
スピーカー本体の操作でボリュームの上下・ミュート/ミュート解除することは可能。
操作性が悪いし、複数台つなげることを考えるとまとめてボリューム操作ができないのは致命的。

これはこういう仕様なのか、BT-W6の実装がおかしいのか、どちらなんだろう……考えてみればOS側からはUSB DACとして見えているわけで、それで音量調整できないというのは不思議な気もする。
なお、Cear coreの場合、この動画等を見る限りでは、一括操作できそうに見える。
もともとのブロードキャスト(Auracast)は不特定多数のデバイスに送信する機能だから、各々のデバイスで個別に音量調整するというのは理にかなってはいるのか? 協調して鳴らすことを前提とし、全体の音量調整がCear coreで集中的にできるCearLinkが特殊なのかな?
……いや、そうじゃないな、やはりマスターボリュームとして送信側の音量が調整できない(アプリ毎には可能だが)というのは問題だろう。

追記(2025/02/06)

クリエイティブメディアカスタマーサポート様に問い合わせたところ、BT-W6でLE Audio: ブロードキャスト(Auracast)モード時にWindowsのマスターボリュームが効かない(数値は変更できても音量が変わらない・ミュートにもできない)のは、「Creative BT-W6の仕様による動作」なのだそう。トホホである(一応、先方にはダメ元で要望としてマスターボリュームが効くように修正して欲しいという要望は出しておいたが)。

動作が不安定

  • YouTubeの動画再生時に音が出ない場合がある
  • 再生アプリや設定を切り替えたりしていると、そのうちどれからも再生できなくなることがある(一度こうなると今のところドングルを抜き差しして再接続するくらいしか解決方法がみつからない)

暗号化なしモードだと繋がらない→暗号化なしモードでも繋がることを確認(2025/02/07更新)

Creative Appの「▢ ブロードキャスト暗号化」をオフにしたときのブロードキャストモードはCear pavéのPublicモードに対応するものだと思われるが、このモードでの接続方法がわからない。
 ↓
暗号化モード時に繋がっていれば、ブロードキャスト暗号化をオフにしても、Cear pavéをCearLink mode状態にすることで接続、再生可能だった。
この場合、Creative Appの「ブロードキャスト名」とCear pavéの「Name」とが一致していればよく、パスワードは考慮されない模様(Codeが一致していなくても再生可能)。

Cear pavéは普段、自動電源オフしないように適当なコードをLINE INにつなげているのだが、この状態だと[ボリューム -]ボタンと[マルチファンクション]ボタンを同時に長押ししてもCearLink modeにならないため、CearLink modeを使用する際には一旦コードを抜いておく必要がある模様。
なお、一度ブロードキャストで正常に接続できてしまえば、その後はLINE IN端子に接続してもそのまま使用できる。

その他(備忘用メモ)

ブロードキャストモード時、ユニキャスト接続をしておく必要はない

Creative Appの「LE Audio: ブロードキャスト モード」の設定とCear pavé側の設定が一致している場合には、暗号化有効(プライベートモード)/無効(パブリックモード)に関わりなく、「LE Audio: ブロードキャスト モード」を有効にしてCear pavéをCearLink modeにするだけで、ブロードキャスト(Auracast)で音声再生ができるようになる。

この際、(クラシック/LE Audioに寄らず)ユニキャスト接続をしておく必要もない(ブロードキャストしか使わないのであれば、ペアリング*3自体も不要)。

参考

Creative BT-W6

Cear pavé/Cear core

www.cear.co.jp

www.cear.co.jp

www.cear.co.jp

www.cear.co.jp

www.cear.co.jp


*1:Cear pavéの取扱説明書では「ペアリングモード2」となっている操作

*2:失敗時には「CearLink failed」という音声が聞こえるので、この場合には環境を見直してやり直す必要がある

*3:Cear pavéの取扱説明書では「ペアリングモード1」となっている操作

eppfun AK3040Pro MAX関連の備忘録

はじめに

Amazonブラックフライデーセールで音質特化型TWSイヤホンであるDenon PerL Proを購入したのだが、せっかくaptX Losslessをサポートしているので手持ちのWindows 10のPC(Surface Book 2)でも体験したいと思い、ついついUSB-C LE Audio対応Bluetoothオーディオトランスミッター eppfun AK3040Pro MAX まで買ってしまった

こちら、性能面ではわりあい満足できたものの、UI面では

  • アプリなしで、たった一つのボタンのみでLEDのみを参照しながら操作するようになっているため、操作方法を覚えるのが面倒
  • 付属の操作説明書(ファイルとしてはeppfun AK3040Pro MAX Japan User Manual for v2.0.pdf)が簡素すぎてわかりづらい

という不満点があった。

そこで、自分用に各種操作とそれにともなう状態変化の概要を図にまとめてみたので、備忘として記事にしておく。

eppfun AK3040Pro MAX動作概略図

※元画像が10562x7100なのではてなブログだと縮小されて見難くなってしまう。原寸画像が必要な場合、こちらからダウンロードするなりしてほしい。

eppfun AK3040Pro MAX動作概略図

  • 操作説明書v2.0の操作ガイドを元に、自分の備忘として作成したもの
  • 一部操作説明書には記載されていなくても実際に経験した動作に基づき推測した内容が含まれているが、当然すべて網羅できているわけではないし、内容の正確性についても保証しない(間違いや過不足などについての指摘歓迎)
  • 再配布については特に制限は設けないが、良識に基づいての利用を期待

eppfun AK3040Pro MAXに関するFAQや誤解など

自分がはまった点や、Twitter(自称X)上などでAK3040 Pro MAXに対して言及しているもので、あきらかに誤解っぽいな? と思ったものなどに関するメモ。

ファームウェアの更新ができないものがある?

Amazonの製品ページ上では

aptx lossはアップグレードすることで、問題を解決することができます。Webアドレス:https://www.eppfun.com/file-share >AK3040ProMAXをダウンロード。

とあり、リンクされているページからはAK3040Pro MAX用のファームウェア(2024/12/13時点では「eppfun AK3040 Pro MAX V3.0(0528).zip」)がダウンロードできる。
ところが、これを適用しようとしても適用できないケースがある(実際に自分の購入したものも正しく適用できなかった)。

具体的には

  • 更新前のバージョンが「1.0.1」なのに、更新後は「0.0.0」と表示されてしまう
  • 再度ファームウェアを適用しようとしても、更新前のバージョンは「1.0.1」のまま

AK3040 Pro MAXのファームウェアが正常に更新出来ない様子

ただ、ファームウェアの日付は最新(V3.0)で2024/5/28となっており、その一方で自分の購入したものだとUSB Device Viewerで確認すると

USB Device Viewerでeppfun AK3040Pro MAXを見てみたところ(一部)

iSerialNumberのところが"20240822V1.0.8"となっており、これが製造日近辺を示す数字だと仮定すると、既に更新済みのファームウェアになっているのかも知れない。

上記Amazonのページでもよく見ると

製品が正常に使用されている場合は、ソフトウェアをアップグレードする必要はありません。アップグレード前にお問い合わせください。問題を確認してから操作してください。

とあるので、とくに問題なく動作しているようであれば、気にしなくてよいのかも(もちろん、気になる方はお問い合わせを)。

■2024/12/21追記
2024年12月17日付けでファームウェアが更新されていた。
ファイル名は「eppfun AK3040Pro Max V6.0(1215).zip」(解凍したフォルダ名は「eppfun AK3040Pro Max V4.0(1215)」になっているのは謎……)。
こちらだと、自分の環境でも無事更新できている模様(バージョンが1.0.1→1.1.2に)。

eppfun AK3040Pro Max V6.0(1215).zipを適用するとバージョンが1.0.1→1.1.2に

ボタンを押してもモードが切り替わらない?

aptX Adaptive対応のイヤホンを接続したところ、ペアリングは成功して接続されたものの、LEDが青のまま、ドングル(AK3040Pro MAX)のボタンを押しても色が変わらなかった。
とりあえず、音声再生ができるかを確認しようと音楽を鳴らすと、LEDの色が変わり、その後はドングルのボタンで切り替え可能となった。
どうやら、いったん何らかの音を再生した後でないと、モード切り替えが出来ない(ことがある?)模様。

aptX Losslessモードにできない?

せっかくDenon PerL ProをaptX Losslessで使うことを期待して購入したのに、最初はなぜかaptX Adaptive HD(96k/48k)までしか接続できなかった(LEDが赤にならない)

いろいろ調べたところ、aptX Losslessにするためには、以下の設定が必要だった模様。

マルチペアリングはできない?

実際には複数のデバイス(SNK)とペアリング可能(同時接続はひとつのみ(Auracast時除く)*3)。
自分が試した範囲では、少なくともClassic Bluetoothデバイス4台+LE Audioデバイス1台ののべ5台分*4は記憶された模様。

ただし「マルチペアリング」がClassic Bluetoothの「2台(以上)の同時接続(同時(同報)再生)」を意味しているのであれば、これはできない。
同じ音源を複数の再生デバイスで同時再生しようとするのであれば、Auracastを使うしかないと思われる。

ドングル(AK3040Pro MAX)経由で接続したイヤホンはヘッドセットとしては使えない?

eppfun AK3040Pro MAXの場合(説明書には明記されていないが)どうやらHFPプロファイルはサポートされているようで、イヤホンのマイクを通しての音声入力は利用可能。
入力デバイスとして「ヘッドセット マイク (eppfun AK3040Pro MAX)」を選択すればよい。

ただし注意点として、通常は音声再生専用のモードで動作しているため、マイクを使うためには(これは説明書に記載の通り)ドングルのボタンをダブルクリックして通話機能モードに切り替える必要がある(このとき、ドングルのLEDは青色の点滅(1.5s間隔)となる)。
また、ドングルとしてはaptX Voiceにも対応しているため(これも説明書には記載されている)、イヤホン側も対応しているのであれば、質の良い音声入力になることが期待できる。

なお、LE Audioモードでも同様の通話機能モードが用意されている。
ただし、自分のところでCear pavéで試してみたところではマイク入力することはできなかったため、実動作については未確認*5

ちなみにAK3040Pro MAXには4極φ3.5mmのピンマイク(?)が付属しているが、こちらはBluetoothとは関係なく、通常はおよそ使い所はないと思われる。
一応、PCのマイク入力に挿せばマイクとしては使えるようではあるが、性能はお察しだろう。

距離の問題などで切断した後、再接続されない

イヤホン等のデバイス(SNK)と切断された際、再接続待機状態(LED青色点滅(0.5s))になる場合があり、このときには(通信圏内に戻っても)うまく再接続されないことがある模様。
この場合、ドングルのボタンを1回クリックすると、通常の待機状態(LED青色点滅(2s))に切り替わるので、通信圏内なら再接続される模様。

最初普通に使えていたのに途中からホワイトノイズが入り続けて使えなくなる

自分の場合はPC側のUSBハブとの相性だったらしく、違う端子に変えたら現象が発生しなくなった。
汎用的な解決方法があるのかは不明。

LE Audioの「Low latency gaming mode」ってなに?

操作説明書の「4.LE AUDIO Bluetooth a.コーデックの切り替え:ボタンをクリック」のところで、

Low latency gaming mode: White

なるものがあるが、これはどういうものなのか。

確証はないが、同じチップセットを使っていると思しき*6Creative BT-W6に搭載されているGaming Audio Profile(GMAP)と同じものではないかと推測できる。

Gaming Audio Profile(GMAP)は、Bluetoothデバイスがゲームオーディオをうまく処理できるようにするための特別な命令のセットです。LEオーディオモードのGMAP対応デバイスで低遅延を実現するには、この設定をオンにしてください。

LE Audio対応のデバイス(SNK)なのにLE Audioが使えない

操作説明書の「注意事項(正式に使用する前に必ずお読みください)」に

2.現在、LE AUDIOの世界的な標準は完全に普及しておらず、本製品は現在、 クアルコムチップ方案のLE AUDIOのみをサポートしているが、他の方案のLE AUDIO はしばらくサポートしておらず、他のブランド標準のLE AUDIO受信側と接続する と、ミスマッチの問題がある可能性がある。

とあり、少なくとも現状では、デバイス(SNK)側もQualcommのチップセットでないとLE Audioは利用できないくらいに考えておいたほうがよさそう*7

なお、このあたりの事情は、Creative BT-W6でも同様らしい

LE AudioモードでCear pavéには繋げる?

ユニークなポータブルスピーカーであるCear pavé 2nd Generation(CP-4000)は、CearLINK(Auracastをベースにしたシーイヤー株式会社の独自技術)により、複数台と同時に通信することでCear Fieldという仮想音源を作りだすことができるが、そのためにはCearLINK専用トランスミッターであるCear coreが必要。
ただし2024/12/14現在、CearLINKは一般販売はされていない*8
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2024/12/25より一般販売が開始された。
cear.tokyo

Cear pavéはQualcomm Snapdragon Soundに対応しているため、aptX LosslessをはじめとするAK3040Pro MAXで設定可能な各種コーデックをサポートしている。
LE Audio(LC3)にも対応しており、チップセットが同じQualcomm製であるためか、AK3040Pro MAXとの相性も問題なく、接続可能。

また、CearLINKはAuracastの拡張であるため、AK3040Pro MAXからのAuracastによるブロードキャスト機能にも対応できる(……と考えていたが、どうも怪しいかも。後述)。

自分はCear pavéを1台しか所持していないため、LE Audio/Auracastは単体での動作しか確認していないが、こちらの記事(「シーイヤーパヴェ Cear pavéのAuracast複数台接続機器や方法について」)では2台接続できた事例が紹介されている

AK3040Pro MAXでは素のAuracast(ブロードキャスト)となるため、複数台に同じ音声データが送信されることになるが、専用アプリ(Cear pavé App)のCear Link Positionにて各スピーカーそれぞれに位置取りを設定しておけばサラウンドのような音場を構成できそうではある。

AK3040Pro MAXのAuracast(ブロードキャスト)対応はどうも怪しいかも? [2025/02/08追記]

少なくとも、Cear pavéへのブロードキャストの場合には

  • AK3040Pro MAXにAuracast用のブロードキャスト名を設定する方法(またはデフォルトで入っている名前を取得する方法)が見つからない(アプリ(Assistant)がない)
  • こちらの記事のように、Auracast受信では本来は必要ないはずの(Bluetooth Classic/LE Audioユニキャスト用の)ペアリングする必要がある
  • Cear pavéをCearLinkモード(ペアリングモード2)にしていない

にもかかわらず、つながってしまうのが不思議である*9


*1:なおCreative BT-W6においても、Denon PerL Proを名指しで、空間オーディオを無効にする旨のFAQがある

*2:サンプルレートを96000Hzにしていると、aptX Adaptive HQ 96Kでの接続となり、aptX Losslessモードにはならない・これはCreative BT-W6でも同様のようなので、aptX Losslessの仕様(チップセットの制限?)な模様

*3:Auracast(ブロードキャスト)での複数動作については、対応するデバイスを複数所持していないため未確認

*4:イヤホン3台(Denon PerL Pro・OpenRock Pro・Hamcoc T06)+スピーカー1台(Cear pavé)・なおCear pavéはClassicとLE Audioそれぞれのモードでペアリングしたため、2台分としている

*5:Cear pavéの場合はClassic Bluetoothでもダメだったので、自分の設定が誤っている可能性もある・なお、USB Audio ModeはVOICE CHATに切り替えても試してはいる

*6:Creative BT-W6にはQCC3086が搭載されている模様(こちらのInternal Photosに写っている)

*7:実はQualcommさんはあまりLE Audioに対して積極的じゃないのか?……などと考えてしまうのは、下衆の勘繰りかな……

*8:現在販売されたのは2023〜2024年のクラウドファンディングと、2024年の仮予約経由で申し込まれたもののみで、仮予約も終了している→2024/12/25に一般販売が開始された

*9:なんとなく、Cear pavé側はまだユニキャストで接続されているつもりでいて、Isochronous PDU上のブロードキャスト用のもの(Broadcast Iso)を、よく検証せずにユニキャスト用のもの(Connected Iso)として受信しているような気がする